協会は必ずしも資格を出さなくてもよいですが、資格を出している協会が多いのも事実。
協会は民間団体ですので、協会が出す資格は国家資格ではなく「民間資格」になります。
民間資格だからといって信頼できないわけではありません。
多くの人から信頼されている民間資格はいくらでもあります。
むろん、知名度の低いもの、まだ信頼の低いものもたくさんありますが。
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協会が出す民間資格には、大きく分けて2つのタイプがあります。
1つは、
協会の資格を取れば、協会が指定する講座を開くことができる(=認定講師になれる)
という資格。
資格を取った人は、そのあと自分で受講者を集め、協会が指定する講座を開きます。
協会は別名「本部」とも呼ばれ、認定講師は本部から教材を仕入れ、本部にロイヤリティを払います。
こうした資格を出す協会では、「お金」「仕事」「副業」など実利的なものに直接関心のある人たちが会員になりやすい。
このような人たちは、学び続けるというよりも、「さっさと認定講師になりたい」という思いが強いようです。
いっぽうで
「認定講師になりたいわけではないが、もっと学びたい」
「認定講師になりたいわけではないが、今の仕事に活かしたい」
という人は会員になりにくい。
もう1つのタイプは
- 知識やスキルを持っていることを証明する
- 所定のカリキュラムを習得したことを証明する
というタイプの資格。
ようするにディプロマですが、ディプロマとは呼ばず、資格と呼びます。
有名なところでは
「野菜ソムリエ」
「ワインのソムリエ」
などが該当します。
野菜ソムリエになれば、野菜に詳しい人だと思われます。
同様に、ワインのソムリエになれば、ワインの専門家だと見なされます。
しかしこのタイプの資格は、資格を取ったからといって認定講師になれるわけではありません。
そもそも、そういう制度がないのです。
なので「お金」「仕事」「副業」などに強い関心のある人たちは、この「認定講師になれない」資格にはあまり関心を示しません。
むしろ、
- 学習意欲の高い人
- 学ぶことそのものに興味のある人
が、このタイプの資格に集まります。
なお、「今の仕事に役立てたい」という人も、こっちのタイプ。
「今の仕事に役立てたい」という人は一見、実利を求めているように見えるが、そうではありません。
「今の仕事に役立てたい」という人は、認定講師になりたいわけではなく、仕事に役立つ何かを「学びたい」のです。
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これから協会を作って資格を出すなら、この両者の違いをよく理解して自分に向いているほうを選びましょう。
これを理解せずに協会を作って
「向いていないほうを選んでしまった…」
と後でわかり、苦労するケースをしばしば見ますので、あらかじめ書いてみました。