はじめに
協会総研は、当然のことながら、ふだんからさまざまな協会と接しています。
その中には、できたての協会もあれば、長く活動している協会もあります。
いずれにしても、多くの協会と接してみてしみじみ感じるのは、
活発な活動ができている協会は、誰が主役なのかを理解している
ということですかね。
活動歴の浅い協会でも、活動歴に長い協会でも、このことは変わりません。
しかし
「誰が主役なのか」
は、一見、簡単なように思われますが、案外、分かっていないものです。
意味を取り違えていることもよくあります。
そこで、ここでは
「協会は誰が主役なのか」
について、解説します。
主役を誤解している例①
結論を先に話すと、協会の主役は会員です。
会員が主役となっている協会は、活発な活動ができています。
しかし世の中には
「協会の代表者が主役になってしまっている協会」
が少なくありません。
もともと協会の代表者になるような人は活発でリーダーシップがありますので、ついつい自分が主役になるような振舞い方をしてしまうのです。
協会の代表者が主役になってしまっている協会には、以下のような行動が目立ちます。
講座をするとき、ほぼすべて代表者が講師をする
取材を受けるときは代表者ばかりが出る
イベントをするときに代表者にばかりスポットライトが浴びる
協会のホームページが代表者のブランディングサイトのように見えてしまう
残念ですが、これだと協会としての活動は活発化しません。
会員の立場から見れば、代表者ばかりが脚光を浴び、どこか釈然としないのでしょう。
主役を誤解している例②
協会の主役は(代表者ではなく)あくまでも会員ですが、会員が主役となっていれば100点満点かというと、必ずしもそうではありません。
世の中には「会員を主役にする」という意味を誤って解釈している協会もあります。
誤った解釈の1つが、
「会員をお客様扱いしてしまう」
ことです。
たとえば協会がイベントを行う場合に、会員を蚊帳の外に置いてしまう協会がよくあります。
イベントの準備や運営は大変ですから、どんどん会員に手伝ってもらえばよいのに、遠慮してそうしない。
会員には来場案内を送るのみで、手伝ってもらおうとしません。
つまり会員を完全に「客」「来訪者」として扱ってしまうのです。
これは会員にとっては、期待されていない、頼られていないようで、寂しいことです。
なにも手伝うことがないと、協会との距離や溝を感じてしまうことでしょう。
協会にとって会員は、「お客様」ではありません。
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主役を誤解している例③
会員を主役にするという意味を誤って解釈している、もう1つのケースは
「会員をスタッフ扱いしてしまう」
ことです。
「会員を部下にように扱う」
という間違いを犯すのです。
協会がイベントを行うケースで説明すると、会員をまるで部下のように扱う協会を、少なからず見かけます。
イベントの準備や運営は大変ですから、どんどん会員に手伝ってもらうべきです。
会員だって「手伝いたい」と思っているはずです。
しかし、だからといって協会側が上から目線で
「下請けに接するかのように、会員を命令口調で扱う」
のは、良くありません。
これだと会員は不服です。
それはそうです。
会員は協会の従業員でもなければ、イベント運営会社の現場担当社員でもないのですから。
協会と一緒に楽しくわいわいやろうと思って来ているのに、厳しい下請けの仕事を要求されても困るわけです。
協会は誰が主役なのか、の答
前述したように、協会の主役は会員です。
代表者が、自分が目立ってしまう行動を意識的に抑制し、
「自分は一歩引き、会員を主役にする」
というスタンスを出している協会が、正しい協会です。
そうした協会のありかたは、以下のような行動に現れます。
取材を受けるときは会員に出てもらう
出版をするときは本の中で会員の紹介を心がける(※)
イベントをするときは会員たちに陽のあたる役割を振る
協会のホームページに会員が掲載されている
これにより、
「楽しそうな協会」
「活発な協会」
という雰囲気が醸成されていきます。
まとめ
協会の主役は、代表者ではなく会員です。
会員が脚光を浴びるように協会を運営しましょう。
会員はお客様ではありません。
かといって、スタッフや部下でもありません。
お客様でもない、スタッフや部下でもない、このあたりの「会員との関係性」を上手にコントロールすることが、「会員を主役にする」の適切なありかたです。