協会の定義
「協会」という言葉には、法律上の定義はとくにありませんし、学術的な定義もとくにありません。
(「社団法人」「NPO」という言葉なら後述するような定義があります)
しかし協会総研では独自の基準で「協会」の定義を持っています。
ただしすべての協会を定義しているのではありません。
世の中の協会を
- 協会らしい協会
- 協会らしくない協会
に分け、前者(協会らしい協会)のみ定義しています。
「協会らしい協会」
その定義はこうなっています。
共通の活動目的のために会員が協力する組織
定義を満たす2つの要素
この定義にしたがえば、まず、協会には活動目的が必要です。
活動目的は、会員同士で共有できるもの、
すなわち
「賛成できるもの」
「共感できるもの」
でなければなりません。
次に、その活動目的は、
会員が力を合わせ協力して成し遂げるもの
でなければなりません。
この2つができてはじめて、
「共通の活動目的のために会員が協力する組織」
が成立します。
むろん、この定義に沿わなくても協会は作れます。
しかし、この定義に沿って正しく組みたてられた協会は、事業としても成長します。
活動目的について
ここでとくに注目してほしいのは、
「活動目的は、会員が力を合わせ協力して成し遂げるものでなければならない」
という部分です。
つまり、
目的を達成するのは理事長の仕事ではなく、ましてやスタッフの仕事でもなく、【会員の役割、会員の使命】である
ということです。
活動目的を作るのは理事長の仕事なのですが、それを実現するのは会員に託された役割です。
理事長が1人ではとうてい達成できないから、会員みんなの力を借りて実現を目指す。
だから会員を増やしたい。
それが協会である、というロジックです。
役割について
ですので、協会の会員はふつうの意味での「顧客」ではありません。
顧客は、お金を払って商品やサービスを受け取る存在です。
いっぽう、会員は「会費」や「受講料」を払って「役割」を受け取ります。
奇妙に聞こえるかもしれませんが、会員は「役割」を担うためにお金を払うのです。
協会は「会費」や「受講料」を払ってもよいと思えるほどの
「魅力的な役割」
を会員に提供することが求められます。
「年会費をもらって会報誌を発行しよう」といった議論をよく耳にしますが、それは本質的な議論ではありません。
会員は会報誌がほしくて会費を払うのではないからです。
「魅力的な役割」を与えられさえすれば、会報誌などなくても会費は支払われます。
会報誌をどうするかの議論をする前に、
「協会として会員にどんな魅力的な役割を提供できるか」
を議論するほうがずっと大切です。
補足:社団法人・NPOの定義
- 社団法人:社員により構成される団体で、法人格が付与されたもの
- NPO:継続的、自発的に社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体