さみしい協会の作りかた
会員から「何か手伝いたい」と言われたときに
「じゃあ、あれやって」
「これやって」
とテキパキ頼めると楽ですね。
協会も大きくなりやすい。
それは頭では分かっているのだけど、実際はなかなかテキパキといかない…。
やり方を教えるのが面倒で、自分でやるほうが早いから。
おまけに近ごろはウェブツールや動画ツールなどがいろいろ使えるため、賢い人はなんでもかんでも自分だけでできてしまいます。
自分だけでできていることを、あえて人に頼むのは億劫です。
ツールの使い方から教えなくてはいけなかったりしますし、それは面倒。
というわけで、会員から「手伝いたい」と言われても、結局
「こっちでやっておくから、いいよ」
と答えてしまいます。
会員はすることがなくなり、そのうち「手伝いたい」とも言わなくなります。
しばらくすると、さみしい協会ができあがります。
手伝いたいの心
さて、このジレンマを打破するには、いくぶん工夫が必要です。
考え方を変える必要もあります。
「手伝いたい」と言ってくれる会員は、
あなたが1人でバタバタして大変そうだから助けてあげよう
と思っているわけではありません。
「会員としてなにか活動したいけどなにをしたらいいのか?」
というのが「手伝いたい」の意味です。
なので、あなたが今やっている作業の一部を会員に振ったところで、会員は喜びません。
ただし例外があります。
会員から
「あなたが今やっているそれを、私もやってみたい」
と言われたときは別です。
それをさせてあげればよいです。
けれども、そういうケースは少ないですね。
ほとんどの会員は、「手伝いたい」とは言うけれど、あなたが今している作業を手伝いたいのではなく、「なにか面白いことをしたい」と思っているのです。
けれども何をしたら面白いかを自分で考えつくことができないので、それをあなたからアイデアをもらおうとします。
それが「手伝いたい」という言葉となって出てきます。
まずはこれを理解することです。
手伝いたいのお金
次に、
「会員に手伝ってもらったら、お金を払うべきか、どうするか」
についても、対応を間違えないことです。
お金を払うかどうかは、相手が「仕事をしたい」と言っているのか「活動をしたい」と言っているのかによって異なりますが、基本、手伝ってくれる会員にはお金を払いません。
お金がもったいないからではなく、多くの場合、お金を払った瞬間に相手のモチベーションが下がるからです。
もともとその人が「好きでやっていること」「面白くてやっていること」に対していったん報酬を払うと、今度はその報酬がなくなったときにモチベーションが大幅に下がる…
という現象はよくあり、心理学の言葉で
「アンダーマイニング効果」
と呼ばれます。
たとえば
勉強好きな子供がいて勉強が面白いから勉強していたのに
↓
途中から試験の点数に応じて小遣いをあげるようにしたせいで
↓
小遣いがもらえないと勉強しなくなった
といった例は、わりとよく聞きますね。
とくに会員が「ヒツジ型」の場合はこれに気をつけなくてはなりません。
ヒツジ型の人はアンダーマイニングを起こしやすいからです。