~「協会を作りたい」の解釈を間違えるな~
今回は協会コンサルタント志望者に向けてのコラムです。
「協会を作りたい」という相談をうけたとき、最初に考えるべことについて述べます。
協会を作りたいと思うきっかけはさまざまにあります。
たとえば、これまで自分で教室を開いていて生徒さんもそこそこいる人が、あれもこれも1人でやっている状態を変えたくなり、
「そろそろ協会作ったほうがよいかも」
と考えるケース。
典型的なきっかけの1つです。
そこで、協会について知っていそうな人を探して「協会を作るにはどうしたらよいか」を相談するわけですが、誰に相談するかによって答が異なります。
行政書士や司法書士に相談すると
行政書士や司法書士の先生に相談すると
「それはね、こうやって登記するんですよ」
という話になることがしばしばです。
多くの行政書士や司法書士の先生にとって「協会を作りたい」は「社団法人を登記したい」に聞こえます。
なので「それはね、こうやって登記します」という答が返ってきます。
ある意味、自然な反応です。
しかし言われたほうは、口では「はあ、そうなんですね」と返事しつつも、どこか釈然としません。
それって、今と何が違うの?
登記して、以上?
あとはこれまでと同じ?
ふつうのビジネスコンサルタントに相談すると
いっぽう、ビジネスコンサルタントみたいな人に相談すると、
「いまのウェブサイトを協会用に変えましょう。あとはそうですね、協会の名刺を作っておいたらよいですね」
という答が返ってくることがままあります。
ある意味、この答は正しい。
ウェブサイトを協会用に変え、名刺を用意することができれば、形のうえでは
「協会を名乗ったことになる」
「協会の体裁が整ったことになる」
と言えるからです。
ビジネスコンサルタントみたいな人にとって「協会を作りたい」は「協会に見えるための体裁を整えたい」に聞こえます。
なのでウェブサイトや名刺の話をします。
しかし言われたほうは、「はあ、そうなんですね」と口では返事しつつも、違和感をぬぐえません。
それって、今までと何が違うの?
ウェブサイトと名刺を作って、以上?
あとは今までと同じ教室をするってこと?
どちらの答にも満足できないのは、なぜか
このように
「協会を作るにはどうしたらよいか」
という問いに対して
「登記しましょう」
「ウェブサイトや名刺を用意しましょう」
こうした答が返ってくることはしばしばあります。
決して間違った答ではありません。
しかし、質問した側がこの答に満足したり納得したりすることは、あまりありません。
それだけでは、さっぱり協会を始められる気がしないのです。
変化が見えないから。
登記したとしても、体裁を整えたとしても、結局、あれもこれも1人でやっている状態が、ちっとも変わらないからです。
そもそも、あれもこれも1人でやっているのは、
- 1人でぜんぶできてしまうから
あるいは - 1人でできる範囲でやっているから
なのですが、その状態が合っている人と、向いていない人がいます。
向いていない人は、だんだんと「ひとり状態」を変えたいと思うようになります。
協会を作れば「ひとり状態」から脱却できるのではないかと期待します。
ところが「登記しましょう」「ウェブサイトや名刺を用意しましょう」では、この期待に応えることになりません。
たとえ協会を作ったとしても、この「ひとり状態」が続くようであれば、登記しようが体裁を整えようが、何かが変わった感じにはなれないのです。
まとめ
多くの行政書士や司法書士の先生にとって「協会を作りたい」は「社団法人を登記したい」に聞こえます。
ビジネスコンサルタントみたいな人にとって「協会を作りたい」は「協会に見えるための体裁を整えたい」に聞こえます。
だが、「協会を作りたい」本人が知りたいのは
「あれもこれも1人でやっている状態を変えたい」
ということであることが多いのです。
ひいては
「団体らしくなりたい」
という意味にもなります。
ですので、もし、協会コンサルタントを目指すあなたが、教室をやっているような人から「協会を作りたい」という相談を受けたら、それは「あれもこれも1人でやっている状態を変えたい」という意味だと解釈し、解決策を考えてあげてください。