「人間」は目的を持って生まれてくるわけではないので(おそらく)、哲学的にいえば、生まれてから目的を探すことになるのでしょう。
これに対し、人間が作る「協会」には、活動目的が必要です。
それも、最初からです。
したがって協会を設計するにあたっては、まず「活動目的を文章化する」ことからスタートするのが自然です。
「北風型」の活動目的
この「活動目的」は、どのようなものでも構いません。
自由です。
なので
「森の自然を守るため、不法投棄者と戦おう」
といった目的でも理論的には「あり」です。
しかし、このような「強烈な」目的をストレートに掲げた場合、その協会の会員になろうと考える人は、多くはないかもしれません。
道徳的に正しい目的ではあるかもしれませんが、正しければ共感を呼ぶとは限らないということです。
「太陽型」の活動目的
実際にはもっと穏健に、「積極的に参画してみたい」と思ってもらえるような魅力的な目的を設定するほうが、会員が集まりやすくなります。
たとえば
「森の生態系について学び、自然をリスペクトする心を育てよう」
くらいの目的設定です。
こちらの「穏健なほうの」目的の書き方には、「不法投棄者と戦う」という言葉が入っていません。
ですが協会の努力によって森の自然、森の生態系に興味を持つ人が増えれば、自然と不法投棄問題にも世間の関心が向くようになり、ひいては不法投棄の防止につながるものと思われます。
イソップ寓話にもありますね。
北風は旅人のコートを脱がすことができませんでしたが、太陽にはできました。