協会を運営する側(理事長であったり、事務局長であったり)に向き・不向きがあるのは以前に説明したとおりです(※)。
じつは、会員の側にも、向き・不向きがあるのはご存じでしょうか。
つまり
- 会員に向いている人
- 会員に向いていない人
がいるのです。
今回は、会員としての向き・不向きについて解説します。
会員に向いていない人
まずは「向いていない人」の話から。
「向き・不向きを区別するなんてとんでもない。どんな人でも会員として歓迎するべきだ」
という意見もあるでしょう。
むろん、会員になってしまった人を「不向きだから」という理由で追い出したり除名したりするのはよくありません。
しかし、「不向きな会員」を集めてしまうと、早い時期からさまざまな齟齬が起きてくることも、たしかなのです。
特徴
「会員に向いていない人」の特徴は、以下となります。
- 活発で行動力がある
- 群れない
- 目立つ
- 自分ファースト
このような人は、
「年収xxxx万円を目指す」
といった言葉に敏感に反応します。
「みんなで力を合わせて〇〇を実現しよう」
といった言葉にはあまり反応しません。
いかにも
「協会の会員には向いていないタイプ」
という気がしませんか?
なぜ向いていないのか
「会員に向いていないタイプの人」は、自分中心のシステムでビジネスをするほうが性に合っています。
反対に、協会、すなわち
「共通の目的をもちその実現のためにみんなで活動する」
という集団の性質とは合いません。
自分が目立たない類の集団行動には、興味を示さないのです。
ほかの会員と仲良くなろうという意識も薄いといえます。
協会の講座を学んだらあとは自分で勝手に教室を開いてしまう、そんな傾向を持つタイプでもあります。
会員に向いている人
次に、「向いている人」の話をします。
「不向きな会員」を入れる努力をするよりも、「向いている会員」を入れる努力をするほうが、協会の運営が安定します。
特徴
「会員に向いている人」の特徴は、以下となります。
- 平和と共存を大切にする
- 目立ちたがらない
- 地味
- 仲間とのつながりを好む
「みんなで力を合わせて〇〇を実現しよう」
といった言葉に敏感に反応します。
「年収xxxx万円を目指す」
といった言葉にはあまり反応しません。
協会の講座を勝手に流用する傾向もありません。
そもそも、流用するという発想すら持っていない。
いわゆる「良い子」なのです。
なぜ向いているのか
「会員に向いているタイプの人」は、ビジネスライクな活動は好みません。
単独で行動することが比較的少ないかわり、集団に属することには抵抗がなく、人の輪をつなげていくのはもともと性に合っています。
したがって、協会の会員として定着します。
協会の発展を自分の喜びと重ねやすいのもこのタイプの人です。
いかにも
「協会の会員に向いているタイプ」
という感じがしますね。
協会を運営するうえでの重要ポイント
以上を踏まえたうえで、
協会の戦略には「重要な構図」と「重要なスタンス」がある
という話をします。
重要構図
前述したように協会の会員には「会員に向いているタイプ」を集めるのが正解です。
ですが、いっぽう、
- 協会を作りたい人
- 協会の設立者になる人
- 協会の理事長
は基本的に「会員に向いていないタイプ」がほとんどなのです。
なぜでしょうか。
両者の違いをもういちど整理していましょう。
「会員に向いていないタイプ」
- 活発で行動力がある
- 群れない
- 目立つ
- 自分ファースト
「会員に向いているタイプ」
- 平和と共存を大切にする
- 目立ちたがらない
- 地味
- 仲間とのつながりを好む
比較してみると分かりやすくなると思いますが、協会を作り、みずから理事長になるといった行動をする人は、前者の「会員に向いていないタイプ」だということです。
後者の「会員に向いているタイプの人」が自分で協会を作ることはありません。
「会員に向いているタイプの人」は「自分で協会を作る人」ではなく、「誰かが作った協会に入る人」だからです。
つまり、下のような構図がなりたちます。
協会を作るなら、協会を運営するなら、この構図を記憶に焼きつけてください。
重要なスタンス
前述の構図から言えることは、以下です。
- 協会を作る・運営する側と、協会の会員になる側とは、反対の性格(特徴)を持つ
- 協会を作る・運営する側は、自分と反対の性格(特徴)を持つ会員を、扱うことになる
さらに、このことから次のことが言えます。
- 協会を作る・運営する側は、自分の感覚で協会を作ったり運営したりしてはならない。
- 協会をうまく回すためには、協会を作る・運営する側が、自分と反対の性格(特徴)を持つ会員のことをよく理解する必要がある。
まとめ
世の中には「会員に向いている人」と「向いていない人」がいます。
「会員に向いていない人」は、活発で行動力があり、群れず、目立ち、自分ファーストです。
「会員に向いている人」は、平和と共存を大切にし、目立ちたがらず、地味で、仲間とのつながりを好みます。
「会員に向いていない人」を会員にするより、「会員に向いている人」を会員にするほうが、無理なく自然に協会を運営することができます。
ところが、実際に協会を作って理事長になるタイプの人は「会員に向いていない人」です。
そのため、協会は、「会員に向いていない人」が、「会員に向いている人」を集めて作るという構図になります。
したがって、協会を作って理事長になる人にとって、自分と反対の性格(特徴)を持つ人たちをよく理解することが大切になります。
参考資料
本記事に関して深く学びたい方は、「協会のセオリー」をお読みください。