講座を作るときは、まずゴールを設定します。
教えたいことをそのまま講座化するのではなく、協会としてゴールを設定し、そのゴールに向かうように整然と講座を作ります。
ゴールの意義
教える側(協会)は講座を設計する際に「あれも教えたい」「これも伝えたい」という気持ちが強く働くことが多いものです。
その結果、無秩序に内容がふくらんだ「総花的」な講座になりやすい。
しかし本来の協会の講座とは、教えたいことをただそのまま教えるものではありません。
協会として「こんな人材を養成したい」という意思を持つ必要があります。
「こんな人材を養成したい」という「人物像」を想定し、そうした人物になるために必要な要素を整理し、講座にします。
大雑把な言いかたをすると、この「人物像」が、講座のゴールとなります。
間違えやすいゴール設定
したがって、どんなゴールでもよい、ではありません。
「講師になれる」というゴールではだめですか?
という質問をよく受けますが、それではゴールになりません。
講座の受講者には
- 「講師になりたいから受講する」という営利タイプの人
- 「学びたいから受講する」という非営利タイプの人
がいます。
「講師になれる」をゴールにすると、当然ながら、前者の営利タイプの人が集まってきます。
ですが、営利タイプの人は協会という非営利的な組織とは相性がよくありません。
運営にも大きなストレスがかかります。
なので、そもそも協会は講師育成を目的にしないほうがよいのです。
「講師になれる」はご褒美にすぎない
それでも、百歩譲って講師育成をするとしましょう。
その場合でも、
「講師になれる」
はゴールにはなりません。
ゴールではなく、
「ゴールに到達したときのご褒美」
だと考えてください。
ゴールそのものではない、ということです。
ゴールは別のところにあります。
もちろん、受講者の方にはご褒美を目当てに頑張ってもらえばよいのですが、ご褒美とゴールは違います。
自動車の教習に例えるなら、
- ゴール:クルマ社会のマナーを理解し、安全運転ができるようになる
- ご褒美:運転免許がもらえる
といった感じになります。
ゴールは、協会の理念に沿ったものをきちんと考え、設定したいものです。