アイデアを形にする道はなかなか大変。
とくに日本のビジネス風土では新しいアイデアやイノベーションがなかなか受け入れられないことも珍しくありません。
しかしそれでも、自分のアイデアを信じることは大切です。
今回は、アイデアの持つ力、それをどう具現化していくか、アイデアを実現する際の心構えなどについて解説します。
アイデアと日本のビジネス風土
苦労するアイデアマン
「こんな協会をやってみたい」
「このメソッドを広めたい」
などの話をだれかにしたときに、否定されたり反論されたりした経験はありませんか?
協会のアイデアを語れる人はそんなに多くいませんが、何かしらビジネスアイデアを思いつく人はわりといます。
アイデアを持つ人々は多様なバックグラウンドや視点を持っていますが、聞く側の人々の頭が硬いせいで、しばしば理解されず、受け入れられないことがあります。
アイデアの中には、社会やビジネスに刺激を与えるものも少なくないというのに。
日本のビジネス風土とアイデアの受け入れ
日本のビジネス風土は、アイデアマンに対しあまり優しくありません。
どんなアイデアでもバカにしない、そんな世の中であってほしいと思うのですが、企業の現場などでは多くのアイデアが会議の席で消されています。
この風土はイノベーションの芽を摘むことがあり、企業や社会の発展を阻害する可能性がありますね。
アイデアを大切にし、それぞれを真剣に検討する態度が、やや足りないように思います。
アイデアの否定とその背後
企業の現場でのアイデアの末路
アイデアは、
「こんなの誰が使うんだよ?」
「そのサービス、必要あるのか?」
上司の一言で消えていきます。
そんな上司は正しいのでしょうか。
否定的な反応は、アイデアを提案する者にとっては心理的にも大きな打撃であり、創造性やモチベーションを奪う可能性があります。
しかし、アイデアの価値は、初めから完全にはわからないもの。
時間と努力をかけて、それを発展させることが重要ですよね。
スマートフォンスタンドの例
たとえば、スマートフォンスタンドというヒット商品があります。
スマートフォンを簡単に立てることができ、動画視聴やビデオ通話が便利になるという代物。
あるとき100円ショップでそれを見てたら、近くに来たオジサンがスマートフォンスタンドを指差して、
「誰がこれ買うんだろうね? スマートフォンを立てるだけなら手で持てばいいじゃん」
と、連れの配偶者(たぶん)に語ってた。
しかし、オジサンの心無い感想とは関係なく、スマートフォンスタンドは多くの人々にとって実用的であり、ヒットしました。
これは、アイデアの価値が初めから見えないことを示しています。
アイデアを否定する人々の心理
オジサンがバカにしたスマートフォンスタンドは、売れてます。
アイデアを否定する人は、アイデアが実現したときの喜びや驚き(センス・オブ・ワンダーともいう)を想像できないのかな?
未知に対する不安や恐れから、新しいものを遠ざけようという気持ちになるのは分からないでもありません。
でもリスクを受け入れ、未知の領域に踏み出すことでしか次のステップは生まれません。
アイデアの実現と日本経済の停滞
新しいものを生み出す障壁
アイデアを否定する人は、自分のわかる範囲内ですべてを判断しようとするのでしょう。
新しいものが受けつけられず、古いことしかできません。
冷たいことをいうようですが、そんな人は新しいものを作り出す邪魔でしかしなく、仕事を一緒にするにも難しいものがあります。
アイデアのやみくもな否定は、イノベーションの道を閉ざし、ひいては社会全体の発展を阻害する可能性があります。
異なる視点やアイデアを受け入れることでしか、新しい可能性や機会を創出できないのですから。
日本経済の停滞とアイデアの受け入れ
日本経済が停滞していると言われるのは、ミクロで見ると、そういうオジサン1人1人の言動の蓄積のせいかもしれません。
この停滞を打破するためには、新しいアイデアをひとまずは受け入れ、いろいろとこねくりまわす風土を築くことが不可欠です。
それによって、世の中も活力を取り戻し、持続的な成長を達成することができるはず。
アイデアの共有と反応
協会の構想とその反応
協会の構想を人に話すときも、そう。
こっちは真剣に考えて話しているのに、面白がってくれない人がいます。
「それだったら、もうこういう会社がすでにありますよ」
「そんなことは、今のこのアプリでできますよ」
「そんなのSNSでこうやればいいじゃない」
と、「現在ある仕組み」の知識を並べて反論する人が、世の中にはまあまあ大勢います。
野菜ソムリエの協会のときも…
昔の話ですが、野菜ソムリエの協会を作ろうとしていたときもそうでした。
「誰がそんな高い金を払って会員になるの」※はい、ま、そこは、高いかもな。
「需要ないでしょ」
「もっとまじめに働いたらどうですか」
「農林水産省が似たようなことしてますよ」
と、さんざん、バカにされたものです。
バカにされた野菜ソムリエの協会は現在、7万人の会員を擁し、東南アジアや韓国にも展開してます。
筆者は性格が悪いので、バカにした人の名前とセリフは、ちゃんとメモしています。
この例は、アイデアの力と、それを信じ続ける重要性を示しています。
多くの人に否定されても、アイデアが真の価値を持っていれば、最終的には成功を収めることができます。
アイデアを否定されたときの心構え
なので、もしあなたが
「こんな協会をやってみたい」
「このメソッドを広めたい」
などの話をだれかにしたときに、否定されたり反論されたりしても、心を折らないでくださいね。
あなたの問題ではありません。
聞くほうの問題です。
あなたはひたすら自分の信念を保持し、アイデアを磨き続けることが重要。
そのアイデアが真の価値を持っていれば、いずれその価値は認識されるでしょう。
鳥のフンに当たったと思って許す話
否定的な人に出会ったときは、「鳥のフンに当たって不運だった」くらいに考えるようにしましょう。
鳥のフンといえば。筆者はサラリーマン時代、通勤中に東京の内幸町を歩いているときに、鳥のフンが2発、命中しました。
1発は、頭髪にポトリ。
もう1発はかけていた眼鏡に当たり、反射で顔の上半分を汚染しました。
近くを歩いていた人たち(半分は女性)がくすくす笑っています。
ところで、後日知ったのですが、「鳥のフンに直撃される確率」をわざわざ計算した人がいました。
答だけをいうと 432万分の1 だそうです。
432万分の1は、数億円があたる宝くじの確率とおおまかにだいたい同じ。
なので、鳥のフンを2発連続で受けるのは、数億円の宝くじを2回当てる価値がある、というめでたい話になります(笑)。
どうでもいい話で失礼しました。
アイデアの具体化: 設立趣意書の重要性
設立趣意書の役割と意義
最後に。
「こんな協会をやってみたい」
「このメソッドを広めたい」
などの構想をだれかに話したいときには
設立趣意書
と呼ばれるものの作成を推奨します。
設立趣意書は、アイデアや構想を具体的かつ体系的に表現する手段であり、それを他人に伝える際の強力なツールとなります。
アイデアの価値や実現可能性を他人に理解してもらうためのフォーマットでもあります。
アイデアを具体的に伝える方法
漠然と出たとこ勝負で口頭で話すよりも、この「設立趣意書」を見せて説明するほうが、わかってもらえる可能性が高いです。
「設立趣意書」は、アイデアの詳細や計画、ビジョンを明確に示すものです。
コミュニケーションを効果的に行うことができます。
アイデアの受け入れ率を高め、実現に向けた協力を得やすくします。
まとめ
アイデアを否定されたとき、それはそれで一つの経験です。
大切なのは、あなたがそのくらいで負けずにアイデアを信じ、磨き続けること。
設立趣意書など、アイデアを伝えるフォーマットも有効に活用してください。
あなたのアイデアが、社会に新しい風を吹き込み、多くの人々に喜びや便益をもたらすことを心より願っています。