協会を運営している方々、これから協会を設立しようと考えている方々に、ある概念を紹介したい。
「バーベキューアプローチ」というものだ。
バーベキューアプローチとは、活動を大勢で協同して進めるスタイルのこと。
プロジェクトの過程を公開し、仲間と一緒に作っていく。
実際のバーベキューでも、火を起こしたり食材を切ったりと、多くの人と協同作業をおこなう。
そうすると普通の食材でも特別においしく感じ、愛着や連帯感が生まれる。
協会むきのスタイルといえる。
協力者やメンバーを巻き込んで計画を立て、活動を推進することで、成果物に対する共同体全体の愛着と満足感が深まる。
関与した活動やサービスに対し、自己投資の結果として愛着が生まれ、それが協力や支持を増やす源となる。
キーワードは、「愛着」だ。
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バーベキューアプローチの反対は、
「ひとりで黙々と進めるスタイル」
となる。
「公開するのが恥ずかしい」
「他人の意見は聞きたくない」
などの感情で単独作業しているスタイルだが、これにはデメリットが多い。
確かにひとりの方が進行をコントロールしやすいかもしれない。
面倒な説明もいらないし、意見がぶつかることもない。
だが、ひとりで完結してしまうと、第3者の視点が欠如し、自己満足に終わる可能性が高いし、多角的な検討もしにくい。
協力者が少ないため、つまずいたときの心の凹みも大きくなるだろう。
ビジネス上のデメリットもさることながら、心のデメリットがなにより大きいのでは。
「ひとりで黙々と進めるスタイル」は、協力者や支持者を増やすチャンスを自ら捨てていることでもある。
協会らしいバーベキューアプローチの例を考えてみると、たとえば、セミナーやワークショップに有効だ。
テーマや内容の設定を始め、協力者の発想を反映させ、みんなで運営を行う。
セミナーやワークショップそのものが関係者にとって「愛着」の対象となる。
協会全体の一体感を深める機会ともなる。
またたとえば、協会が「出版」する場合。
協会が書籍やガイドブックを出版する際に、メンバーや関係者を巻き込んで作る。
そうすると、「出版プロジェクト」全体が関係者にとって「愛着」の対象となる。
その結果、「まとめ買いして配ります」といったありがたい動きが生まれたりもする。
勝手にプロモーションもしてくれる。
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長々と書いたが、べつだん目新しいことを述べているわけではない。
ひとりでやらずにみんなでやろう、協会なのだから
と言いたいだけにすぎない。
ただ、頭でわかっていてもすぐに実践できるとは限らないので、「バーベキューをイメージする」というアプローチを提案してみた。
いつまでも協力者が少なくて手間ばかりかかる状態からの脱却を目指したい。