協会は企業みたいに競争してもよいのでしょうか。
むろん、それは自由です。
「協会どうし仲良くせよ」なんていう法律もありません。
企業は競争するのが普通です。
たとえば
- 菓子メーカーは、明治、森永、グリコ…などたくさんあり、いつも競争しています。
- ビールメーカーも、キリン、アサヒ、サントリー等、いつも競争しています。
消費者に選ばれるための競争をしています。
競争を通じてサービスなどが磨かれていきます。
競争は必要なことですし、健全なことでもあります。
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協会も必要とあれば競争するしかないかもしれません。
ですが協会の場合、似たようなテーマの協会どうしが、会員や受講生を取り合って激しく競争するというのは、あまり健全な感じがしません。
企業のように
「競争を通じてサービスが磨かれる=競争を通じて社会の役に立つ」
というイメージが湧かないからです。
これから協会を作るのであれば、似たようなテーマにいろんな協会が参入して競争しているところにわざわざ飛び込むよりも、ちょっと違う分野でオリジナルのポジションを作るほうが、よいように思われます。
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協会が競争した不健全な例を挙げますと、2000年代半ばに、食育基本法という法律ができたこともあり、「食育」の協会が乱立した時期がありました。
それぞれ食育講座を開催して会員獲得(受講生獲得)に奔走していました。
ところが講座の中身や協会の活動内容はどこも似たり寄ったりで、違いが分からず。
「食育に興味がありますが、どの協会に入るのがよいでしょうか」
「食育を学びたいんですけど、どの講座を受けたらいいんでしょうか?」
といった相談をよく受けましたが、答えられずに困った経験があります。
したがって、
- 協会は、競争には向いていない
- なるべく競争しないようにオリジナルの立ち位置を作ろう
そう考えるのが正しいのではないでしょうか。