若い母親に「子どもの食事」についての正しい知識を伝え、母親を応援する協会を作ることを考えています。
協会を設立する場合の登録は、株式会社とは別の何かの申請手続きが必要なのでしょうか。
財団法人とか、○○法人とかいろいろ種類があり、よくわかりません。
登録費用も何百万円もかかるなど聞いたりもしますが…。
まずひとつ目は、協会の設立には専門的な登録が必要なのかということ
次に、初めは協会、次に財団法人、と段階を経てその様にした方がいいのか、それとも、まったくそんなことをする必要のないことなのか。
(そもそも意味がないとか)
このあたり全く素人で教えて戴けましたら幸いです。
宜しくお願い致します。
<回答>
まず最初に、「協会」は法律用語ではありません。
- 「株式会社○○協会」という株式会社がありますし、
- 「特定非営利活動法人○○協会」というNPOもありますし、
- 「財団法人○○協会」という財団もありますし、
- 「○○協会」という任意団体(サークル)もあります。
- むろん、「○○協会」という社団法人もあります。
つまり「協会」は法人の固有名詞の一部として使われますが、法人の形態を表わすものではないということです。
したがって、
- 「○○協会」という名前の株式会社を作ってもよいですし、
- 「○○協会」という名前の財団法人を作ってもよいです。
どちらも、法律的には自由です。
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とはいえ、株式会社を作って「○○協会」という名前をつけることには、多くの方が何となく違和感を覚えるのではないでしょうか。
ちょっと「不自然さ」「ずるさ」を感じたりします。
では財団法人はどうかというと、「○○協会」という名前の財団法人を作ることに「ずるさ」を感じる人はあまりいないと思いますが、なんだかオーバーな感じや仰々しい感じを覚える人は少なくないと思います。
そもそも財団法人は、ビジネスに成功して財産を築いた人が、その財産を社会福祉のために使ってもらおうとして設立するのが最もオーソドックスです。
あり余る財産がある場合は別ですが、そうでなければ、無理して財団法人を作るのは、お勧めしません。
できないことはありませんが、あまり意味がないでしょう。
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したがって、ふつう協会を作って登記するときは、一般社団法人か特定非営利活動法人(NPO)を作り、「○○協会」という名前をつけることが多いです。
この両者を比べると、登記手続きは一般社団法人のほうが簡単です。
設立のための条件も、一般社団法人のほうが自由度が高いです。
詳しくは法務局または司法書士に聞いてもらえればよいですが、社団法人の場合、拠出金(株式会社の資本金に該当)は1円以上でよいです。
登記申請の費用は約11万円です(司法書士に頼んだ場合の報酬はのぞく)。
特定非営利活動法人(NPO)は、自由度が高くありません。
NPO には高いレベルの公益性が求められているからです。
その代り、NPO は税金面で有利であったり、国や自治体からの補助金を比較的もらいやすいというメリットがあったりします。
なお、一般社団法人や NPO のほかに
「公益社団法人」
という形態もあります。
「公益社団法人」は NPO とよく似ていますが、NPO よりもさらに設立がややこしいと思っていただいて結構です。
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結論ですが、お考えの協会が
「子どもの食事」についての正しい知識を伝え、母親を応援する
という活動であれば、一般社団法人で十分でしょう。
もし将来、活動規模が大きくなり、より公益性の高い組織として運営できるようになり、かつ、公益性の高い組織として国や自治体から認めてほしいのであれば、NPO になることを検討してもよいかもしれません。
公益社団法人になるというテもあります。
ただ、無理して NPO や公益社団法人を目指す必要はないと思います。