会社は複雑、協会は単純
協会のビジネスモデルはそんなに種類はありません。
それどころか、おおさっぱに言って3種類のみです。
バリエーションが少ないのです。
これに対し、会社や個人事業主などの一般的なビジネスモデルは、種類がたくさんあります。
たとえばあなたが世界各国を回って食や料理の勉強をし、帰国したばかりとします。
その経験や能力を生かして食や料理のことでなにかビジネスをしようとした場合、
- 弁当を作って店頭で売る
- 弁当を作って宅配する
- キッチンカーを出す
- 飲食店を開く
- 料理本を書いて販売する
- 料理教室を開く
- 食品会社や外食会社のコンサルタントになる
- レシピを売る
などなど、やり方はいくらでもありそうです。
つまり、考えられるビジネスモデルはいろいろあります。
しかし協会の場合は、おおさっぱに3種類しかビジネスモデルのバリエーションがありません。
その3種類というのは、
- 業界団体のようなビジネスモデル
- 同好会のようなビジネスモデル
- スクールのようなビジネスモデル
この3つです。
でも、それでよいのです。
会社や個人事業主などの一般のビジネスの場合は
「どのビジネスモデルを選ぶのか」
によって成否が分かれます。
ビジネスモデル自体が差別化要因になります。
ビジネスモデルの選択を間違えたために成功するはずのビジネスが失敗するということがしばしば、あります。
ところが協会の場合は3種類しかないので、ビジネスモデルに関していえば、
「どの協会も似たりよったり」
になります。
でも、それでよいのです。
協会の場合、ビジネスモデルは差別化要因にはなりません。
似たりよったりだから。
それよりも、
「ビジネスモデルの完成度」
のほうが重要です。
「ビジネスモデルの完成度」とは
野球チームにたとえると、野球のゲームはつねに「9人 対 9人」で行われます。
攻撃側はバットを振り、守備側はグローブをはめる。
どの球場で試合をしてもバッターボックスはホームベースの近くにあり、どんなチームにも必ずピッチャーがいる。
つまり、ビジネスモデルは同じです。
そこは同じで良いのです。
ところが、
- 強打者がいる
- 良い投手がいる
- 守備の連携プレーが上手い
- 走塁が上手い
- エラーが少ない
- 監督の采配が良い
といった「細部」によって強いチームと弱いチームが分かれます。
これがすなわち「完成度」というものです。
協会も同じで、協会はビジネスモデルで勝負するものではありません。
- 理念のありかた
- 講座の内容
- コミュニティの設計
- 事務局のスキル
といった「細部の完成度」が明暗を分けるポイントとなります。