会員が面倒化する問題
- せっかく協会を作ったのに会員が少ない
- 会員はそれなりに増えたけど、面倒な人ばかりだ
どっちがマシでしょうか?
面倒でも会員が多いほうが、いないよりマシじゃないかと思うかもしれませんが、実感としては、どっちもキツイです。
面倒な会員というのは、たとえば以下のような行動をとります。
- 協会が何かするたびに文句を言う
- 協会のコンテンツを勝手に流用する
- 質問が極端に多い
協会側はそれを1つ1つ対応するのに時間とエネルギーを取られ、疲弊します。
こんなことに忙殺されるために協会を作ったんじゃない!と叫びたくなるような状況です。
当然、協会側とってはメンタル的にも辛い。
ゴーイング・コンサーンを圧に感じる問題
この辛さは、そんな状態になってみないと分からないかもしれませんが、ブラック企業で働いているようなものだと考えれば、想像できるかもしれません。
ブラック企業の場合、はたから見れば
「そんなに辛いなら、会社をさっさと辞めればいいじゃん」
と軽く思われるでしょうが、本人としてはそうはいきません。
(だからブラック企業の社員が自ら命を絶つような悲劇も起きる)
簡単な問題ではありません。
協会の場合も似ていて、はたから見れば
「そんなに面倒な会員が多いなら、協会をさっさと閉じればいいじゃん」
と軽く思うかもしれませんが、やはりそうはいかない。
これも簡単な問題ではないのです。
もともと、こちらの呼びかけに応じて会員になってくれた人たちです。
それを今になって面倒だからという理由で協会を閉じるなんて、人としてどうなのかという思いもあるでしょう。
そもそも協会は、いったん始めたら会員のために存続しなければなりません。
これを「ゴーイング・コンサーン」といいます。
正義のメールが協会を泥沼に落とす問題
とはいえ、面倒な会員から連日のようにややこしいメールが送られてくるのは、トラウマのもと。
「ゴーイング・コンサーン」なんてきれいごとを言うなよ、と叫びたくもなります。
たとえばこういうメールが来ます。
- 「会費があるなんて説明は聞いていない。なんですか、この請求書は?」(実際には協会から事前に何度も説明しているのですが…)
- 「協会はあの人にはあんな対応をしたのに、自分にはこういう対応をした。不公平ではないか」
- 「質問メールを送ったのに返事が来ない。私のことを軽く見ているのか?」(メールソフトを検索してみたけど、そんなメールは見当たらない…)
などなど。
しかも、文章がきつい。
きつい言葉が使われます。
じつはこういう文句メールを出す人は、あなたを傷つけようとしているわけではなかったりします。
正義感や、
「自分は正しいことを言っているだけだ感」
「自分は協会のことを思っている感」
でメールを書いていることが多い。
そういう意味では、内容的には参考になるありがたいメールなのかもしれません。
(このへんの構造は、ネットが炎上する構造とどこか似ています)
しかし参考になるありがたいメールかもしれませんが、受け取る側としてはストレスになりますね。
「連日」でなくても、「週に1回」でもそういうメールが来れば、あとの数日はその対応に追われます。
発病のメカニズム
「会員はそれなりに増えたけど 面倒な人が多い…」
という問題は実際によく起きています。
そうなってしまってから是正するのは、できないことではありませんが、かなり骨が折れる仕事です。
なぜなら、面倒な人に向かって
「あなたは面倒だから、会員を辞めてください」
とは、なかなか言えないからです。
その結果、メンタルをやられ、会員を「怖い」と感じるようになる…。
「会員が怖いシンドローム」の発病です。
そんな気の毒な理事長や協会スタッフが、たまにいます。
つまり、
- せっかく協会を作ったのに会員が少ない
- 会員はそれなりに増えたけど、面倒な人ばかりだ
どっちがマシか、というのは、簡単には比較できません。
どちらの状況も、避けましょう。
「会員は増えている。しかも良い人たちばかりだ」
という状態にしたいものです。
会員が怖い病にならないために
というわけで、協会を運営する場合、「会員を増やす」はもちろん重要ですが、
「面倒な人が会員にならないような工夫」
も結構重要。
頭に入れておきましょう。
協会運営は、本来は楽しいものです。
行儀の良い人を集め、心豊かな協会を目指しましょう。
補足
最後に、以下は、
「規約を作って会員の行動をある程度、制限したい」
と思っている人へのアドバイスです。
協会総研としては細かい規約を作ることを基本的にはおすすめしませんが、どうしても作りたいという場合もあるでしょう。
どうしても作りたい場合、規約には
- 「ネガティブリスト」にする
- 「ポジティブリスト」にする
という2通りの作り方があることを知っておくとよいかもしれません。
まず「ネガティブリスト」とは、
「禁止事項・やってはいけないことをリスト化する」
というもの。
言いかえれば、リストにないことは、やっても構わないことになります。
次に「ポジティブリスト」とは、
「許可事項・やってよいことだけをリスト化する」
というもの。
言いかえれば、リストにないことはやってはいけません。
規約にどちらの性格を持たせるかで、効力のタイプも変わってきます。