協会の看板を探してみると…
ビルの看板をながめながらビジネス街や繁華街をぶらぶら歩くと、「会社」の看板がじつにたくさんあることに気がつきます。
じっさい、世の中に会社は数百万、存在します。
全国津々浦々、いたるところに会社があるという感じです。
いっぽう、「協会」の看板に出会うことはかなり少ないですね。
よく注意して探すと、あっちにぽつり、こっちにぽつり、見つかる…。
おおかたの印象は、こんな具合ではないでしょうか。
つまり協会の数は、会社の数に比べてかなり小さい。
協会の数が少ない理由2つ
なぜ会社にくらべて協会がこんなに少ないのでしょうか。
発想しないから
1つには
「起業したい人は『自分の会社を持ちたい』と思うが、『自分の協会を持ちたい』とはなかなか思わない」
という理由があるでしょう。
これは、「協会を持ちたくない」のではなく、「そもそも『協会を持つという発想』を思いつかない」からです。
経験者が少ないから
もう1つには、前述したことと関連しますが、
「起業して会社を作った人が身近にいるケースは多いが、起業して協会を作った人が身近にいるケースは少ない」
という理由もあります。
会社を作る前に先輩の経験談を聞く機会は得やすいですが、協会の経験談を聞く機会にはなかなかめぐりあえません。
したがって、「『協会にしよう』と思いつく」こともないのです。
協会を作るのは難しくない
しかし、われわれ(協会総研)に言わせると、
「起業したい人は自分の会社を持ちたいと思うが、自分の協会を持ちたいとはなかなか思わない」
「起業して会社を作った人が身近にいるケースは多いが、起業して協会を作った人が身近にいるケースは少ない」
これはじつにもったいない話。
なぜなら、
- 会社を作るのも協会を作るのも、手続きや手間はあまり変わらない。
- 会社を作るのも協会を作るのも、かかる費用はあまり変わらない。
- ビジネス上の制約もあまり違わない:会社が行うビジネスは、基本的にすべて、協会がやってもよい。
からです。
たとえば、株式会社を作るために必要な資本金は、現在の法律では「1円以上」となっています。
ずいぶん安い。
しかし協会はもっと安いのです。
「協会」という法人格はないので、代わりに「社団法人」を例にあげると、社団法人には資本金という概念がないが、「拠出金」という概念があります。
だがこれは、「0円以上」ということになっています。
ものすごく大雑把にいえば、株式会社は1円で作れるが、協会は0円で作れます。
躊躇する必要なし!
つまり、作りやすさや気軽さという意味では、両者に本質的な違いはありません。
だから、将来これから起業したい人には、
会社だけでなく協会という可能性もある
ということを、知ってほしいと思います。
自分のやりたいことを実現するのに、会社が向いているか、協会が向いているか、を検討し、協会が向いているとなれば、躊躇せずに協会を作ればよいのです。