「自分の好きなことをもっと多くの人に広めたい!」
「コミュニティを作って大勢に教えたい!」
最近、そんな風に思って協会を立ち上げる方が増えてきました。
協会は会社よりも作るのが簡単で、
趣味として取り組むよりもお金につながりやすい、
という“ほどよい手軽さ”もその理由のひとつかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
もちろん法人設立ほど手間や労力のかかるものではありませんが、
かと言って勢いで協会を立ち上げてしまうと痛い目に遭ってしまいます。
そこで、協会を作る前にまず一度立ち止まって考えてほしい
協会づくりのポイントを以下に記載します。
- 理念を明確にする
- 仲間を集める
- ルールを定める
- 資金を準備する
一つひとつ説明していきます。
理念を明確にする

協会は同じ志や想いを持った人たちの集まりです。
企業において経営理念や企業理念が重要
だということは言うまでもありませんが、
協会においての理念、すなわち活動目的は
企業以上に大切と言えるかもしれません。
なぜなら、社員が労働の対価としてお金(給与・賞与)をもらえる企業と違って、
協会は会員がお金(入会金・会費・受講料)を払って受講するものだからです。
自分が共感もできない方針を掲げている組織に、
わざわざお金を払ってまで所属したいと思えるでしょうか?
そんなわけないですよね。
そのため、会員が賛同し、
一緒に歩んでいきたいと思える理念を定めることが、
協会を成功させるための秘訣です。
では、そのような理念をどのように定めるのか。
ポイントとしては
「社会にどのような変化をもたらすものか、貢献ができるのか」
という点を考えることです。
協会に集まる人の多くは
その協会で教えている内容に興味を持って学んでいますが、
「ただ好きだから」という理由ではなく、
社会や人の役に立つようなことに取り組んでいるという自覚が、
学びへの積極性や帰属意識をさらに高めていきます。
会員が自ら取り組みたいと思えるような
使命感に満ちた理念を掲げるようにしましょう。
仲間を集める

協会は立ち上げ当初はほとんどの場合が1人です。
会員が数名のうちはそれでも十分対応可能でしょうが、
規模が大きくなってくるにつれ、
会員の管理や事務的な作業も増えていくので、
1人で回すことは難しくなってきます。
なので、一緒に協会を運営してくれる仲間が必要です。
そして言うまでもありませんが、
一緒に運営する仲間は理念に共感できるだけでなく、
自分が信頼でき、協力し合えるパートナーでなければなりません。
協会が成長するにつれ
予期せぬ事態やトラブルが発生することもあるので、
そういった苦難を支え合いながら乗り越えられる関係であると理想です。
ルールを定める

立派な理念と強力な仲間が集まったら、
次は協会の決めごとを定めていきます。
ルールは秩序を守るために重要ですし、
運営や会員同士の共通認識を作れるので、
コミュニケーションエラーによるトラブルなどを防ぐことができます。
会員が入会するまでのフローや、理事への報酬の決め方、
会場の確保や会員の問い合わせには誰が対応するのか
といった役割の分担など、さまざまなルールが必要です。
人数が少ないうちは都度口頭で伝えれば済むので
必要性を感じないかもしれませんが、
「人数が増えてから作ればいいや」と思ってそのままにしておくと、
想像以上に協会の成長速度が速い場合に対応できなくなります。
そうなると、協会で伝えている内容は良いものだと思ってもらえているのに、
管理が行き届いていないせいで人が離れていくといった事態になりかねません。
そんなことにならないよう、
立ち上げる前からしっかり規約や規則を作っておくべきです。
もちろん、ルールは作るだけでは意味はなく、
実際にそのルールに従って協会が運営されていなければなりません。
時には、運営していく中でルールを変更することになることもありますが、
それでいいのです。
常に見直しながら、
自分たちの協会が最も円滑に運営できるルールはどんなものかを
探っていくことも大切です。
資金を準備する

最後に、お金の話です。
当然ながら、協会にはお金がかかります。
設立自体はお金をかけずにできますが、
セミナーを行う会場代、テキスト代、ホームページや名刺など、
さまざまな必要経費が発生します。
理事への報酬を支払う場合もありますし、
プロから教わりながら協会運営をしていく場合は
コンサルティング料も必要です。
最初から入会者が殺到することはまずないので、
立ち上げる前から入会金や会費に期待していると、
最悪の場合講義がスタートする前の段階で大赤字になってしまいます。
あらかじめ何にどれだけ費用をかけられるのか、
それぞれ相場観はどれくらいかなどを自分で調べたうえで、
必要な資金を用意しておきましょう。
自己資金で賄うだけではなく、
クラウドファンディングなどを使うのもひとつの手です。
まとめ
いかがでしたか?
協会を立ち上げようと考えている方は、一歩踏みとどまって、
まずはここまでお伝えした4つができているかを確認しましょう。
改めて今回の内容をまとめます。
- 会員が共感し、積極的に参加したいと思える理念を作っておく
- 自分が信頼できる仲間を集め、
会員が増えても対応できるような体制を作っておく - 後々トラブルにならないよう細かなルールを定めておく
- あらかじめ経費を予測し、必要な資金を準備する
立ち上げるからには長く存続し続けることができ、
愛される協会を作りましょう。