協会は会社とは違うということを他の記事でも書きましたが、
協会だからこそ立ち上げ時や運営にあたって
意識した方が良いことはたくさんあります。
今回は、その中でも
「このポイントを外すとそもそも協会として機能しない」
という点についてご説明します。
「協会→会員」の一方向のコミュニケーション

うまくいかない協会にありがちなのが、
講義をする講師や運営側に対し、
会員が受け身的に聞くだけになっているスタイルです。
これでは一部の人間がやるべきことを決めていくトップダウンの組織になってしまいます。
協会の会員はお客様でも従業員でもなく、仲間です。
同じ理念や考えを持った人たちが協力しながら作り上げるものなので、
運営側と会員の双方向のコミュニケーションが求められます。
例えば、イベントを開催する時の会場の設営や準備などは
「運営のメンバーだけでやるべき」
「会員に任せるなんて申し訳ない」
などと思っている方もいるかもしれませんが、
むしろどんどん会員を巻き込んで、仕事を任せてしまいましょう。
会員が積極的に参画できる機会を設けることが、
良い協会を作る秘訣のひとつです。
完璧すぎる

意外かもしれませんが、
完成度が高すぎる協会は理想的な協会とは言えません。
なぜなら、こちらも前述した内容と関連してきますが、
完璧な協会には会員が入り込むスキがないからです。
もし仮に、ホームページは大手企業のサイトも手掛けてきた
プロのweb制作会社が作ったものであったり、
凄腕の組織コンサルタントが理事をやっていたり、
毎年数千人を軽く集められるイベンターが
集客や会場設営を担当していたとしたら、
会員はそこに自分から関わろうとするでしょうか?
答えはNoです。
「自分よりはるかに優秀な人がいるから自分など出る幕がない」
と考え、できることを探そうとすらしないでしょう。
そもそもそんな予算が取れないことが多いのでこれは極端な例ではありますが、
こんな風に完璧すぎる協会はかえって会員が関わる機会を奪います。
もちろんある程度は整ったものがあるに越したことはありませんが、
最初はホームページもマニュアルもメンバーも最低限の条件を満たせば良いのです。
むしろその方が、
「自分の力でこの協会をもっと良くしていけるんだ」
という会員の前のめりの姿勢を育むことができるので、
みんなで一緒に協会を作っている雰囲気が生まれ、
結果的に団結力や主体性の高い協会へと成長しやすいです。
認定講師になれることを売りにする

世の中で広まっている協会の中には、
講師を養成する認定講師型の講座を売りにしているところも少なくありません。
確かに、講師になって人から脚光を浴びることに憧れを感じる方もいますし、
ビジネスモデル的にも機能しやすい仕組みです。
ただ、こと協会に関しては、
それがマイナスに機能してしまうケースが見受けられます。
なぜなら、協会に入りたいと思う会員は、
講師になることや講座での学びを仕事にすることに
強い抵抗感を示す方が大多数だからです。
プレッシャーなど感じずに、平和に楽しく学びたい、
その中で自分が力になれるところで貢献したい。
それが会員の大半の心理です。
仮に認定講師になれることに魅力を感じて入った会員が増えてしまうと、
彼らは居場所をなくし、いつしか離れてしまいます。
選択肢として認知してもらう程度であれば問題ありませんが、
全面に打ち出すことは避けた方が良いでしょう。
まとめ
今回は失敗する協会の作り方について解説しました。
まとめると以下の通りです。
- 運営から会員への一方的なコミュニケーションではなく、
双方が関われる場を作ることが大切 - 完璧な協会を目指すのではなく、
あえて未完成な状態を保った方が会員の主体性を促せる - 認定講師になれることは会員にとってメリットが薄いので、
打ち出さない方が良い
これらに注意したうえで、失敗しない協会作りを目指しましょう。