~ 一般社団法人食育日本食文化伝承協会 ~
「衣」「食」「住」のどれをもっとも重視するかは、国や民族によって異なると思われますが、日本が「食」をもっとも重視している国の1つであることは、論をまたないでしょう。
「日本食」「日本料理」には、わたしたちの先祖がさまざまな試行錯誤のすえに築き上げた「食べる知恵」が、細部にまでこめられています。
- どうしたらおいしく食べられるのか
- どうしたら旬を愛でることができるのか
- どうしたら料理を美しくできるのか
- どうしたら安全に食べられるのか
「料理」のひとつひとつ、「食器」のひとつひとつに、「食べかた」のひとつひとつに、「なせそうなのか?」を説明する、深遠な知恵があります。
また、そこから
- 食べる所作や作法(いわゆるマナー)
- 食材への感謝、もったいないという心
- 食の粋な表現
なども生まれてきていますが、その由来を知ると「なるほど!」と納得せざるをえません。
そのいっぽうで、現代の日本は食が欧米化しています。
便利でスピーディになった反面、日本食の豊かな文化を伝承するすべが、失われてきています。
地元民なのに地元の名所旧跡を知らない…、そんな “現代日本人” は多いと思われますが、日本の食文化も似たような状況に陥りつつあります。
つまり、日本人なのに日本の食文化を知らない、という “現代日本人” が増えています。
現代のわたしたちは、日常生活のなかで日本の食文化に触れることがあまりありません。
そういう機会が減ったからですし、日本の食文化を伝える人が少ないからでもあります。
このまま何もしないでいると、日本の食文化は空洞になってしまうのではないでしょうか。
日本の「食べる知恵」と「食文化」を守り、次世代に継承したい。
そういう思いで設立されたのが、食育日本食文化伝承協会です。
この協会は、「日本の食文化の知恵を伝え広める人材」の育成を行っています。
協会代表の梛木春幸(なぎしゅんこう)氏は、日本料理ひとすじ30年の料理人。
食育活動も熱心に行っています。
近年は海外、とくにフランスに呼ばれて講演したり実演したりすることの多い人です。
おりしも、日本食は世界的にブーム。
梛木春幸氏の講演を聞きにくるフランス人は、もともと熱心な日本食ファンです。
ですが、それを割り引いたとしても、彼らは驚くほど日本食に詳しいといいます。
なので、フランス人と日本食の話をするほうが、日本人と話すよりレベルの高いが話ができるのだそうです。
ある意味、日本人相手に講演するよりフランス人相手に講演するほうが、よほど充実する…。
しかしそこで、梛木春幸氏はハッと気がつきました。
フランス人が日本食にどんどん詳しくなっている一方で、日本人はどんどん日本食を知らなくなっている…。
考えてみたら異常事態です。
フランス人相手に話をするほうが充実するからといって、このまま自分の国を放置してよいわけがありません。
というわけで一念発起した梛木春幸氏。
昨年(2021年)、忙しい合間に時間を作り、必死になって「日本料理を含む日本の食文化を “現代日本人” に伝えるためのカリキュラム」を作りあげました。
それがようやく今年(2022年)になり、完成しました。
「日本食文化アンバサダー講座」という講座です。
伝統的な日本料理に込められたさまざまな知恵を、体系的に、面白く学ぶことを主旨としています。
「日本食文化アンバサダー講座」で学んだ人は、「日本食文化アンバサダー」として認定されます。
「アンバサダー」ですから、これからはアンバサダー仲間といっしょに、日本の食文化を伝える活動を楽しんでもらいたいです。
今月(2022年3月)、最初の講座を開講し、50名のアンバサダーが誕生しました。
アメリカ、イギリス、カナダ、イタリア、フランス、オーストラリアなど、海外在住の日本人によるオンライン受講者も少なくありません。
以下は、この協会が行っているオンライン検定です。