「事業を成功させるには、強みを活かすべし」
とよく言われます。
「SWOT分析」でも「強み」は重要な要素となっています(※)。
今回は、
「協会であることの強み」
について解説します。
(※)SWOT分析
現状分析をしたり戦略を立てたりする際によく使われるフレームワーク(考え方)のひとつ。
「S(Strength):強み」「W(Weakness):弱み」「O(Opportunity):機会」「T(Threat):脅威」
という4つのカテゴリに分けて思考や議論を進めるもの。
協会であることの強み① 金銭に対して清潔なイメージがある
協会は、会社と同じように経済活動をすることができます。
すなわち、売上をあげ、利益を残すことが許されています。
したがって、税金も払います。
しかし、同じ経済活動をするにしても、会社と協会では印象が異なります。
会社が経済活動をすれば、「利益を追求している」ように見えます。
これに対し、協会が経済活動をすれば、
「世のため人のために行う活動が、結果的に利益を生み出している」
ように見えます。
「協会の経済活動にはクリーンなイメージがある」
と言い換えてもよいでしょう。
協会であることの強み② その分野の専門団体と見られやすい
「名は体を表す」と言う言葉があります。
名前を見れば人や団体の実体がよく分かる、という意味です。
しかし会社の場合、必ずしも「名は体を表す」ではありません。
たとえば「北日本産業株式会社」「株式会社タナカ」(いずれも架空の名前)などは、名前を見ただけではその会社が何をしているのか、よく分かりません。
いっぽう、協会は「冷やし中華協会」「紙風船協会」(いずれも架空の名前)など、名前を見ただけでどういう協会なのか、だいたい分かります。
これにより
「冷やし中華のことは冷やし中華協会に聞けばよい」
「紙風船のことなら紙風船協会に聞こう」
となります。
結局、
- 「冷やし中華協会」は冷やし中華の専門団体
- 「紙風船協会」は紙風船の専門団体
という扱いを受けやすくなります。
協会であることの強み③ 取材を受けやすい(メディアに好まれやすい)
前述したように、協会の場合は
「冷やし中華のことは冷やし中華協会に聞けばよい」
「紙風船のことなら紙風船協会に聞こう」
となりやすいので、自然と、メディアの取材も受けやすくなります。
協会であることの強み④ 競合が生まれにくい
「第2テニス部は要らない」という、たとえ話をします。
ある中学生が「部活でテニスをしたい」と思ったとします。
自分の学校にテニス部がなければ、新たにテニス部を作るしかないでしょう。
しかし、すでにテニス部があれば、わざわざ新しく「第2テニス部」を作る必要はありません。
すでにあるテニス部に、入ればよいのですから。
協会も同様に考えることができます。
すなわち、すでに協会があるなら、似たような協会(競合)を新しく作る必要はありません。
すでにある協会に、入ればよいのです。
会社の場合、「あの会社は繁盛しているようだ。我々も同じことをしよう」と、参入してくるのがふつうです。
協会の場合、「あの協会は会員が増えているようだ。我々も入会しよう」ということになります。
このように、協会は「競合が生まれにくい団体のありかた」だと言うことができます。