「協会とは認定講師を作るもの」という考えで運営されている協会を「認定講師型協会」と呼びます。
反対に「非認定講師型協会」とは、認定講師に依存せず、純粋に「一般会員」で成り立つ協会を指します。
いっとき、認定講師を作ることが流行った時期があります。
しかし今では、認定講師に依存しない「非認定講師型協会」のほうが優れていることが、明らかになってきています。
その理由を説明します。
市場の大きさの違い
あえてシンプルに表現すると、
- 認定講師に依存する協会は、先生、すなわち「教える人」を増やすことに労力を使います。
- 反対に、「非認定講師型協会」は、生徒、すなわち「教わる人」を増やすことに労力を使います。
では、「教える人」と「教わる人」、どちらの人数が多いでしょうか?
議論するまでもなく、生徒、すなわち「教わる人」のほうが圧倒的に多いといえます。
「会員を増やす」ことが協会の使命とするならば(※)、市場の小さい(=人数の少ない)ところに働きかけるよりも、市場の大きい(=人数の多い)ところに働きかけるほうが、スタンスとしては優れています。
ロイヤルティの違い
「教える人」(認定講師)と「教わる人」(一般会員)とでは、その平均的な性質にも違いがあります。
認定講師は、ものごとに積極的である反面、協会へのロイヤルティはあまり高くないことが知られています。
「協会の認定講師であることが本人のビジネスに有利かどうか」、つまり「損得」が行動の基準になっており、有利でなくなったと感じたときは協会から離れていきます。
ビジネスライクである、と言ってもさしつかえないでしょう。
反対に、一般会員は、認定講師のように積極的ではなく、むしろ比較的おとなしいことが特徴です。
そのかわり、協会とのつながりを重視します。
「損得」で考えることはありません。
そのため、ロイヤルティが高く、協会の会員として長く定着しやすいと言えます。
関係性の違い
認定講師にとって、他の認定講師はビジネス上の競合(ライバル)となります。
そのため、認定講師は協会に対し「認定講師を増やしてほしい」とは考えていません。
むしろ「これ以上、増やしてほしくない」と考えています。
協会側は「認定講師を増やしたい」と考えているのに、認定講師側は「増やしてほしくない」と考えているので、両者で方向性が対立してしまいます。
そのため、認定講師は自分が所属する協会のことを好意的に拡散することも、あまりありません。
拡散する動機がないからです。
いっぽう、「非認定講師型協会」が抱える一般会員の場合、一般会員どうしは競合しません。
競合しないので、一般会員が増えることに対しても抵抗がありません。
むしろ「仲間が増える」ことを歓迎します。
協会側は「一般会員を増やしたい」と考え、一般会員側も「会員が増えるのを歓迎する」。
両者の方向性は対立しません。
そのため、一般会員は好意的な拡散をします。
「自分の入った協会に、自分の友人も誘いたい」という動機があるからです。
まとめ
認定講師に依存する協会は、
- 認定講師の市場は小さい
- 認定講師は協会に定着しない
- 認定講師どうしが競合するので、拡散がない
といった理由により、運営が難しく、成長にも壁(限界)があります。
いっぽう、認定講師に依存しない「非認定講師型協会」は、
- 一般会員の市場は大きい
- 一般会員は協会に定着する
- 一般会員どうしは競合しないので、拡散する
といった理由により、無理がないため、運営もしやすく、成長にも伸びしろが大きいと言えます。
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