言葉が違えば印象も変わる
「協会を作って商品を売りたいから手を貸してほしい」
という相談を受けたことがありますが、
「商品を売りたいから協会を作る」
という考え方には共感できなかったので、その相談は断りました。
せめて、その人が
「その商品が大好きだから、みんなに良さを伝えたい」
という「熱い気持ち」を語ってくれていたならば、手を貸したかもしれません。
でも、残念ながら、そうした言葉はもらえませんでした。
売れればなんでもいい、というような考え方のようでした。
「商品を売って儲けたい」
VS
「その商品が大好きだから、みんなに良さを伝えたい」
どちらも表面上の行動としては、「商品を売る」に変わりがありません。
しかし言葉が違うだけで、わたしたちは反感を覚えたり、応援したいと思ったりします。
言葉は重要です。
協会と物販のイメージ
もともと「協会」と「物販」は、あまり相性のよいものではありません。
水と油の関係です。
たしかに、協会が物販をするのは法律上、何の問題もありません。
モノを売りたいのなら、売ればよいです。
しかし法律上 OK だとしても、世の人々の「感じ方」は、また異なるものです。
協会が物販をするときに
「あの理事長さんは所詮、アレを売りたいから協会をやっている」
というふうに受け取られてしまうと、その協会は、もうかなりダメです。
なにか悪いことをしているかのような、そんな印象になってしまうからです。
ヒツジの皮をかぶったオオカミのような印象だと言っても過言ではないでしょう。
強い反感を生み出すことになります。
会員が去っていきます。
だったら始めから(協会ではなく)今までどおり会社で堂々と販売しているほうが、よほど清潔感があります。
界面活性剤を活用する
さきほど「協会」と「物販」は水と油の関係だと述べましたが、協会が物販をするのに適した方法がないわけではありません。
界面活性剤があれば、水と油が混ざるようなものです。
「あの理事長さんは所詮、アレを売りたいから協会をやっている」
と受け取られてしまってはおしまいです。
ですが、同じ物販をするにしても
「協会が私たちのためにわざわざアレを用意してくれた」
と受け取られたら、良い印象になります。
協会が物販をすることは基本的にあまりお勧めしませんが、なんらかの事情でどうしても物販をしたいなら、このような「プラスの印象」「好意的な反応」が生まれるように環境を整えることを強く推奨します。
協会が物販をするときの環境の整え方
会員に買ってほしい商品があるとしても、それには細心の注意を払うのがよいです。
以下のような方法はおすすめできません。
- 商品を買わないと会員資格を維持できないようになっている
- 協会が販売元になっている
- 講座を受けて資格をとるとその商品の販売権が得られる
このようなシステムの協会にしてしまうと
「所詮、商品を売りたい協会なんだな」
という印象が強くなります。
商品を販売しても反感を持たれない協会もあれば、反感を持たれる協会もあります。
その違いは、
「協会のなかでの商品の位置づけ」
にあります。
協会の講座を受講したことがきっかけで会員の方がその後も学びを深めていく中で、商品が学びに役立つようなものであれば、その商品には意味があります。
商品に意味がある場合、協会がそれを販売することにも意味が出てきます。
反感の軽減方法
そうした精神論をふまえたうえで、以下のような方法であれば反感を抱かれるリスクは減ります。
- 商品を買う・買わないは会員の自由な選択に任せる
- 協会は商品を紹介するのみで、販売元ではないことにする(別途、会社を用意し、その会社が販売)
*「資格」と「商品の販売権」はひもづけせず、切り離す
なお、1つだけ、商品を会員の方々に強制的に買ってもらう方法があります。
講座の教材として使う、というやり方です。
商品代金は、受講料やイベント参加費などに含めてしまいます。
これは、「商品が学びに役立つ」という意味づけがある場合に有効です。