船長の場合
あなたは小さな船の船長だとしましょう。
時代は「パイレーツ・オブ・カリビアン」くらいの世界、あなた自身はジャック・スパロウを想像してください。
今はまだあなたの船は小さいですし、船員の数も少ないので、ふだんはそのへんの近海を航海して戻るばかりで遠くへはいけません。
それでもあなたは何とかして海のむこうの未知の楽園に行きたいと思っています。
そこであなたは道行く人々に声をかけ、
「海のむこうの未知の楽園にみんなで一緒に行こう」
と大航海に誘いはじめました。
おおぜいの人がその誘いに興味を持ち、集まってくれました。
しかし問題が2つありました。
まず、1つ目は、あなたが集めたいのは乗客ではありません。
集めたいのはクルー(船員)です。
でもほとんどの人は船員としての知識がなく、訓練もしていないので、まずはこの人たちを一人前の船員になるようにトレーニングする必要があります。
次に、2つ目は、大海原に漕ぎ出すには小さな船では行けません。
途中で難破してしまいます。
難破しない大きな船を建造する必要があります。
この2つの問題を解決するために、あなたは
- 船員の訓練を有料で行いました。
- その訓練料金で集まったお金で船を建造しました。
こうしてあなたは大きな船の船長としておおぜいの船員を率いて海の向こうへの冒険に出かけることになりました。
理事長の場合
協会を作るというのはこのようなものだと理解してください。
船長であるあなたは、協会でいうと理事長です。
この話のポイントは4つです。
思いと目的
船長には「海のむこうの未知の楽園にみんなで行きたい」という、強い思いと目的がありました。
協会にも目的が必要です。
みんな(会員)をどこに連れていくのか。
みんなとどんな「冒険」をしたいのか。
それを示さなくてはなりません。
顧客ではなく会員
船長が集めたいのは乗客ではなく、クルー(船員)です。
ただ船に乗っているだけのお客さんは要りません。
力をあわせて大海原を乗り越えるための仲間が必要なのです。
協会の場合も同様で、集めるべきは顧客ではなく仲間です。
会員を訓練する
クルー(船員)になるためには、訓練が必要でした。
訓練抜きでは船員になれません。
協会の講座も同じで、「仲間としてお互いの役に立てるようになるためのトレーニング」という性格を持たなくてはなりません。
すなわち
講座を受講して初めて「仲間」として「冒険」を共有することができる
そういう講座を用意することが重要です。
訓練は無料ではない
船長は有料でトレーニングを実施し、そのお金で船を建造しました。
言いかえると、
船を建造するための費用を仲間から集め、そのお礼にトレーニングを施した
ということにもなりますね。
協会の場合も同様です。
協会の受講料は、協会が「冒険」に挑むための資金となるものです。
まとめ
これまでさんざん
「協会は会社と違う」
ということを書いてきました。
今回の記事もそのことを伝えたくて書きました。
協会は
「仲間を集めて訓練し、大きな船に乗って冒険に乗り出す」
ことにまあまあ近いと思ってください。