協会が養成講座や資格講座を開催する場合に、
「飛び級を認めるかどうか」
が議論になることがあります。
今回は飛び級について。
飛び級とは
一般の場合
飛び級とは、一般的には学校で、通常よりも上の学年に進むことを指します。
英語で「skip(スキップ)」といいます。
たとえば、本来なら高校1年生に該当する年齢の人が、
- 成績がとびぬけて優秀
- 学習能力がきわだって高い
などの理由で、高校2年生またはそれ以上の学年に進むことです。日本ではあまりみかけませんが、海外(アメリカなど)では「年齢的には小学生なのに大学に進学している」といった事例がわりとよく見られます。
協会の場合
養成講座や資格講座の多くは
- 初級講座→中級講座→上級講座
- アドバイザー講座→シニアアドバイザー講座
- 3級講座→2級講座→1級講座
などのように、複数の「段階」を持つ構造になっています。ほとんどの会員は、それらの「段階」を1段ずつ順を追って進級することになります。
しかし人によっては
- 初級講座を飛ばして最初から中級講座を受ける
- 3級講座を終えたあとに2級を飛ばし、いきなり1級講座に進む
といったケースが考えられます。
これが協会の飛び級です。
よくある例としては、
- 栄養学をテーマにした講座を、栄養士が受講する
- 健康をテーマにした講座を、医師が受講する
などがあります。
飛び級に対するスタンス
飛び級を認めるかどうかについては、およそ以下3つのパターンがあります。
- 飛び級を認める
- 妥協する
- 飛び級を認めない
飛び級を認める協会
前述の栄養士や医師の例のように、専門家が受講するときは飛び級を認める、というもの。
この考え方で行く場合は、不公平にならないために、
- 会員がどのような条件を満たすとき、飛び級に該当するのか
- どの程度の飛び級になるのか
をあらかじめ明確にルール設定しておく必要があります。
妥協する協会
飛び級は認めないが、一部の科目を受講免除するというもの。
たとえば「食と健康のアドバイザー3級養成講座」があったとして、その講座が
「栄養学」「健康」「料理」
という3科目で構成されているとしましょう。
このとき
- 栄養士は「栄養学」を免除するが、他の2科目は受講しなければならない。
- 医師は「健康」を免除するが、他の2科目は受講しなければならない。
- 調理師は「料理」を免除するが、が、他の2科目は受講しなければならない。
このように設定することが考えられます。
なお、受講料に関しては、
- 免除する科目があるため、その分、受講料を減額する
- 免除する科目があっても、受講料は減額しない
両方の考え方があります。
飛び級のない協会
飛び級のない協会には、2通りのスタンスがあります。
スタンス①:「この講座は一般向けです」とウェブサイトなどに記載することで、そもそも専門家が間違って受講しないように、あらかじめ予防線を張るというもの。
スタンス②:「たとえ専門家が受講する場合でも、他の受講者と同様に、最初からきちんとステップを踏まなくてはならない。科目免除もしない」このようなスタンスの協会もありますし、このスタンスにも一理あります。
たとえば
「会員(受講者)の交流を大切に考えており、会員(受講者)どうしが場を共有する時間を減らさないようにしたい」
という確固たる方針のもとで、「飛び級なし」を選択している協会も少なくありません。
まとめ
飛び級に対する協会のスタンスは様々で、「完全に認める」、「部分的に妥協する」、「認めない」の3つのパターンが存在します。
協会の方針や会員のニーズに応じて選択され、明確なルール設定が求められます。