ビブリオバトルという「読書のバトル」をご存じだろうか。
この興味深いバトルは、参加者がそれぞれお勧めの本を持ち寄り、会場でその本をプレゼンする形で行われる。
- 各参加者が自分のお勧めの本を持って集まり、その本の内容や魅力を紹介する
- 会場でその本をプレゼンする際には、なぜその本が素晴らしいのか、どうして他の人々にも読んでほしいのかを語る
- どの本をもっとも読みたくなったか?を最後に投票で決める。この投票は、プレゼンの内容や本の魅力にもとづいて行われる
- 最多票を集めた「本」が優勝する。優勝するのは人間ではなく、本そのものだ。
ビブリオバトルは、なかなか人気のあるイベントらしい。
人間を評価するのではなく、本を評価するという新しい感覚が、多くの人々を引きつける要素となっている。
愛情こめて懸命にプレゼンする姿に、見ているほうも感動し、引き込まれる。
▽
ビブリオバトルの形式は、協会活動にも応用できるのではないだろうか。
ちょっと考えてみた。
通常の会員の交流会などでよくあるのは、各自1分以内で自己紹介をするというものだが、それではプレゼンにならない。
そうではなく、5分程度のまとまった持ち時間を使い、プレゼンを競いあうのだ。
これにより、互いの理解が深まり、さらに協力の精神が育まれるだろう。

- たとえば、環境保護をテーマとする協会であれば、会員が自分のサステナブル活動をプレゼンしあうことができる。
- たとえば、教育をテーマとする協会ならば、ビブリオバトル形式を取り入れ、メンバーが「最近学んだ新しい知識をプレゼンする」
といったイベントが考えられる。
それぞれのメンバーが学んだ内容を短時間で熱意を持ってプレゼンすることで、他のメンバーの興味を引きつけ、ともに学ぶ機会を創出するだろう。
- 料理をテーマとする協会の場合、メンバーそれぞれが自慢のレシピや料理をビブリオバトル形式でプレゼンしてもよい。
- 地域活性をテーマとする協会であれば、地域の問題やプロジェクトに焦点を当て、問題そのものをプレゼンするなり、プロジェクトをプレゼンするなり、できる。
▽
繰り返しになるが、ビブリオバトルの良いところは、
- 優れたプレゼンをした「人」が賞賛されるのではない
- プレゼンの対象になった「モノ」や「コト」が賞賛の対象となる
という点だろう。
人に優劣がつくのではないという意味で、協会むきの「バトル」だと言える。
協会の活動をより活気づけ、参加者同士の絆を深める手段となるかもしれない。