協会と会社とでは運営する感覚が違います。
この違いを理解することが協会の第一歩です。
協会は仕事ではなく、〇〇をする。
会社を作ったことのない人が協会を作る場合は、「会社感覚に染まっていない」ことが幸いし、協会感覚を受け入れやすい傾向があります。
いっぽう、会社を作った経験のある人は「会社感覚に染まっている」ことが多く、協会感覚がなかなか身につかないようです。
むろん個人差はあります。
会社感覚と協会感覚の違いを端的にいえば、
- 会社のしていることは「仕事」であり
- 協会のしていることは「活動」である
ということになります。
つまり協会は仕事をしません。
活動をします。
感覚の違い
たとえば、AさんとBさんが、それぞれ講演をしたと想像してみましょう。
Aさんは仕事をし、報酬を受け取る
まず、Aさんの場合。
Aさんはどこかのイベントに呼ばれてそこで講演をしたとします。
イベントの主催者に講演の報酬を聞いたところ、「10万円」という回答でした。
Aさんは「10万円なら、いいか」と納得し、講演を引き受けました。
そして講演をし、約束どおり10万円の報酬を受け取りました。
Bさんは活動をし、謝礼を受け取る
次に、Bさんの場合。
Bさんも、どこかのイベントに呼ばれてそこで講演をしたとします。
Bさんには、ある信念があり、その信念を伝えることができるならと、講演を引き受けました。
ただし、事前に金額を聞くのを忘れていました。
自分の信念を伝える場ができたことが嬉しかったので、金額のことはある意味、どうでもよかったのです。
講演が終わってBさんが帰ろうとするとイベントの主催者がやってきて
「すばらしい講演でした。これは謝礼です」
といって10万円の入った封筒を、渡してくれました。
「報酬」と「謝礼」
AさんもBさんも結果的には10万円を受け取ったわけですが、
Aさんは、10万円の「報酬」をもらうために講演をしました。
Bさんは、信念を伝えるために講演をしたのですが、結果的に10万円の「謝礼」をもらいました。
「講演をした」「10万円を得た」
この2点は同じなのですが、意味づけが異なります。
「仕事」と「活動」
Aさんにとって講演会は仕事や生業、すなわち「対価を得るための手段」、つまり仕事でした。
Bさんにとって講演会は「信念を伝えるための場」、つまり活動でした。
これは、会社と協会の違いにも似ています。
会社は「報酬」を得るために「仕事」をします。
協会は「信念」を伝えるために「活動」をし、結果的に収入を得ます。
協会の場合、「謝礼」という表現はふさわしくないため、ここでは「収入」という表現にしましたが、いずれにせよ、協会は「活動」の結果、じゅうぶんに収入を得ているところがポイントです。
まとめ
会社のしていることは「仕事」です。
協会のしていることは「活動」です。
会社を作ったことのない人が協会を作る場合は、「会社感覚に染まっていない」ことが幸いし、この感覚を受け入れやすい傾向があります。
いっぽう、会社を作った経験のある人は「会社感覚に染まっている」ことが多く、この感覚がなかなか身につかないようです。